誰にでも事故は起こります。時にそれはお気に入りの洋服にワインやコーヒーをこぼしたり、バターを付けてしまう形で起こります。 では、洋服についてしまったしみはどうやって落とすのでしょうか? ウールマークの順を追ったガイドに従い、お気に入りのウール衣類のしみを落としましょう。
ウールのお手入れは簡単な上に、天然の耐臭性と防しみ性など有の利点を備えているため、他の繊維からできた衣類と比較すると、洗濯回数が少なく済み、しかも低い水温での洗濯が可能です。しかし、うっかりお気に入りの洋服に何かをこぼしてしまい、しみ抜きが必要となった場合、次のコツに従えばあなたの洋服もあっという間に新品同様に戻ります。
バター、ソースなど油脂性のしみの落とし方
1. 油汚れができてしまった場合、まず表面をスプーンや刃が鋭くないバターナイフなどでこすり、余分な油を取り除きます。
2. テイッシュペーパーを重ね、その上に熱いアイロンを乗せて、余分な油を吸い取ります。
3. 必要であれば、糸くずの出ない布に専用のグリース除去剤または揮発油を染み込ませます。溶剤をなるべく染み込ませるように、汚れた部分を優しくたたきます。 必要に応じて繰り返し、乾燥させます。
4. ウールマーク認証の洗剤を使い、洗います。
卵や牛乳によるしみの落とし方
1.ぬるま湯1カップにティースプーン半分の塩を混ぜ、液体をしみの上に塗ります。 十分にすすぎ、余分な水分は拭き取ります。
2.しみがまだ残っているようであれば、ぬるま湯1カップにティースプーン1杯のバイオ洗剤を加え、これをしみに塗り、15分程置きます。 水で十分すすぎます。
3.バイオ洗剤を中和するために、水で薄めたホワイトビネガーを布に染み込ませてしみ部分に塗り、15分程置いてから水で十分にすすぎます。
4. ウールマーク認証の洗剤を使い、洗います。
赤ワイン、フルーツ、フルーツジュースのしみの落とし方
1.水で可能な限り、ドリンクを洗い流します。次にぬるま湯で薄めたウールマーク認証の洗剤を塗ります。
2.しみがまだ残っている場合は、消毒用アルコールと冷水を3対1で混ぜた液体をしみ部分に染み込ませます。 余分な水分を吸い取ります。
3. 十分にすすぎ、ウールマーク認証の洗剤を使い、洗います。
ホワイトコーヒー、紅茶、ミルク、ホットチョコレートとチョコレートのしみの落とし方
1.水で可能な限り、ついたドリンクを洗い流します。次にぬるま湯で薄めたウールマーク認証の洗剤を糸くずの出ない布に染み込ませて、しみの端部分を優しく叩きます。吸収性のある布またはタオルで優しく拭き取ります。
2.乾燥後も油っぽいしみが残っているようであれば、揮発油を染み込ませた布でしみの端部分から優しく叩きます。 吸収性のある布またはタオルで余分な液体を優しく拭き取り、乾燥させます。
3.ウールマーク認証の洗剤を使い、洗います。
ブラックコーヒーによるしみの落とし方
1.できれば、すぐに冷たい流水ですすぎ、コーヒーを薄めます。
2.しみが乾いてしまっていたら、カップ1杯のぬるま湯にティースプーン半杯のベーキングソーダを混ぜます。 糸くずが出ない布に染み込ませ、しみ部分を叩きます。 吸収性のある布を優しく押し当てます。
3.しみがまだ残っている場合は、消毒用アルコールと冷水を3対1で混ぜた液体をしみ部分に染み込ませます。 吸収性のある布を優しく押し当てます。
4.十分にすすぎ、ウールマーク認証の洗剤を使い、洗います。
アルコール飲料によるしみの落とし方
1.糸くずの出ない吸収性のある布で叩き、余分な水分をできるだけ取り除きます。
2.消毒用アルコールとぬるま湯を1対1で混ぜた液体をスポンジを使って塗り込みます。
3.十分にすすぎ、ウールマーク認証の洗剤を使い、洗います。
口紅、化粧品、靴磨きクリームによるしみの落とし方
1.揮発油またはしみ取りスプレーを染み込ませた布で、しみの端部分から優しく叩いていきます。
2.吸収性のある布またはタオルで余分な液体を優しく拭き取り、乾燥させます。
3. ウールマーク認証の洗剤を使い、洗います。
血のしみの落とし方
1.吸収性のあるタオルですぐに余分な血を拭き取ります。
2.薄めていないホワイトビネガーでしみ部分を叩き、その後冷水で同じことを繰り返します。
3. ウールマーク認証の洗剤を使い、洗います。
草によるしみの落とし方
1.中性の固形石鹸をしみ部分に丁寧に塗り込みます。
2.糸くずの出ない布に消毒用アルコールを染み込ませて優しく叩いていきます。
3. ウールマーク認証の洗剤を使い、洗います。
インクやボールペンによるしみの落とし方
1.ボールペンによるしみには、糸くずの出ない布に消毒用アルコールを染み込ませて優しく叩いていきます。 吸収性のある布またはタオルを優しく押し当て、余分な液体を取り除きます。 乾燥させないでください。
2.ボールペンではない、水性インクによるしみには、糸くずの出ない布に希釈したウールマーク認証洗剤を染み込ませて優しく叩いていきます。 吸収性のある布またはタオルを優しく押し当て、余分な液体を取り除きます。 乾燥させないでください。
3. ウールマーク認証の洗剤を使い、手洗いします。
しみ抜きのコツ
- こぼしたものの余分な液体はテイッシュペーパーや吸収性のあるタオルを使って、必ず取り除きます。固形のしみはスプーンやナイフを使って取り除きます。
- 可能であれば、どの処置を行う場合も、見えない部分を使って見た目の変化、色落ち、色流れなどが置きないか確認しましょう。
- 洗剤などの液体は少量を使い、よく叩いて取り除きましょう。 塗布ごとにティッシュペーパーでこすることはしないでください。 しみは端から中心に向かい除去していきましょう。
- 油汚れは最初に溶剤で処置を行い、溶剤が蒸発してから続く水性の処置を行うようにしてください。 乾燥前に溶剤が完全に取り除かれていない場合、リング状のしみが表れる場合があります。 これを避けるためにも、水性の処置が生地に残らないように、十分にすすぐ必要があります。また、ケア表示ラベルを見て手洗いが可能であれば、中性洗剤またはウール用洗剤を使い衣類全体を手洗いします。
- インターネットで検索すると上記で紹介したウールのしみ抜き方法以外の様々な方法が見つかりますが、多くの方法が綿や化学繊維の衣類に関するしみ抜き方法であり、ウールに適してない場合があるのでご注意ください。 ケア表示ラベルにドライクリーニング可能と表示がある場合は、クリーニング店の人にしみの原因を説明し、処置を行った場合はどのような処置を行ったか伝えてください。
- しみ抜きに化学薬品を使う場合は注意を払い、換気の良い場所で行ってください。