循環型ファッションについて
自然界に無駄はありません。廃棄物とは、本質的には設計ミスと言えます。 循環型経済では、従来の「採取−使用−廃棄」のリニア経済モデルを止め、より持続可能なモデルに置き換え、 無駄をなくし、資源の継続的な使用をなくします。
テキスタイルとの関係性とは?
循環型経済では、よりスマートなデザインを奨励するだけでなく、スマートな消費行動も求められます。 毎年1500億点ものアパレル商品が生産されており、さらに衣類の生産量が増加傾向にあることをご存知ですか。 これはとてつもない量の服です。 さらに我々は以前より多くの買い物をしています。15年前と比較すると、平均的な消費者は服を60%多く購入している一方で、保有期間は半分ほどになっています。 新しい服を作るためにリサイクルされる衣類は1%以下のため、ファッション業界のこのような問題をリサイクルが解決できないのは明らかです。 つまりより多くの衣類が生産され、購入されるというこの現状は、ゴミ箱への片道切符のようなものなのです。
循環型経済を支援するには
さて、循環性のある買い物をしたい場合、どこから始めたら良いでしょうか。
最適な始め方は自宅からです。 クローゼットを開けて、一番奥や棚の上、落ちているものまで、中をくまなく覗いてみてください。 どれを着ていますか? 過去一年間着ていない服はどれですか? 着用せずにタグが付いたままの服はどれですか? 答えに驚くかもしれません。 お気に入りの服を持ちましょう。 上品で流行りのないスタイル、長く着られるようにデザインされた服を持ちましょう。 メリノウールなど高品質な生地からできた衣服は長持ちするようにできています。#SoLastSeason(シーズン遅れ)や#30wears(30回着用)といったムーブメントに参加して、天然繊維の衣類を大切にすることが、あなたを素敵に見せるということを世界に発信しましょう。
その次は? 大好きな一着はお直しできますか? セーターに小さな穴? 靴下をダーニングする(繕う)必要がある? ウールケアとリペアガイドは、あなたの服に新たな命を吹き込み、ウールがファッションにおいて永遠であることを教えてくれます。
もう二度と着ないと決めてしまった? 問題ありません。 でも、すぐにゴミ箱に入れないでください。 主要な衣料用繊維の中で、ウールは最もリユースとリサイクルされている繊維です。 もしかしたら、あなたにとって不要なアイテムに第二の命を吹き込もうという誰かがどこかにいるかもしれません。 売れますか? 売れなかったらリサイクルショップなどに持って行き、良いご縁を繋ぎましょう。 何と言っても、全ては自分に返ってくるのですから。まさに循環型そのものです!
ブランドの循環性を知るための3ステップ
あなたはクローゼットをくまなく確認した結果、新しい服を何点か購入する必要があると考えました。
偽善や見せかけのエコを宣伝するグリーンウォッシングを避け、正しい決断をするにはどうしたら良いでしょうか。
多くのブランドが自らをサステナブルと言っていますが本当でしょうか?
まずは、品質ラベルをしっかりと見てください。 衣類が何からできているかを確認してみてください。 メリノウールやコットンのように天然で再生可能、生分解可能な繊維ですか? それとも、ナイロン、アクリル、ポリエステルまたは再生ポリエステルなどの化石燃料や原油由来のものですか。 マイクロプラスチック汚染に貢献しないウールとは異なり、これら合成繊維は空気中や海洋中に何千ものマイクロプラスチックを放出します。
衣服がどのように作られたのか? そのブランドは労働者についてのストーリーを語り、彼らに適正な生活賃金が支払われていることを伝えていますか? その衣服は、最初の一縫いからサプライチェーンを経てお店の棚に並ぶまで追跡可能ですか? そのブランドは国連のSDGsに適合し、人々や地球への負荷や利益に関する報告を行なっていますか?
そして何よりも、その服は何回も着用でき、修繕やリサイクル可能で、流行に左右されない上品でシンプルな服ですか? もし答えがイエスなら、将来の衣服の生産量は少なくなり、購入される量も少なくなり、廃棄も減らすことができる製品であることが分かります。 循環型ファッションには生産者、製造者、デザイナーとあなたによる連携が必要です。 ファッションの未来を形作る準備はできていますか?