お気持ちはわかります。買い物をするとき、環境にやさしい選択ができているかどうかを判断するのは、とても難しいものです。しかし、今こそはっきりさせましょう。合成繊維ではなく天然繊維を選ぶことは、河川や海洋を守る上で極めて大きな意義があります。
衣服を買う際に心に留めていただきたいことがあります。「サステナブル」というだけで納得しないでください。これからは、科学に耳を傾け、うわべだけ環境に配慮した「グリーンウォッシュ」を意識するべきです。
では、何が事実なのでしょう?よくぞ聞いてくださいました。
マイクロプラスチック汚染とは?
マイクロプラスチック粒子は、合成繊維の衣服やテキスタイルから生じるマイクロファイバーを含め、今では世界中の水中および陸上のあらゆる生態系に存在しています。年間60万~170万トンのマイクロファイバーが海洋に流出していると推定されています。
35%
海洋環境中のマイクロプラスチックのうち、合成繊維の衣服に由来するものの割合。
8%
世界の産油量のうち、合成繊維の衣服を含むプラスチック製品の生産に使われる量の割合。
44%
ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの合成繊維が、実はプラスチックであることを知らない人の割合。
マイクロファイバー汚染の原因は?
合成繊維はプラスチックから作られ、プラスチックを生み出し、海洋に悪影響を及ぼします。詳しくは、こちらをご覧ください。
ポリエステルやアクリルなどの合成繊維ではなく、ウールを選ぶのはなぜでしょうか?すべてのウールは海洋環境において生分解され、マイクロプラスチック問題を引き起こすことはないからです。
ワードローブからプラスチックをなくす方法
あなた自身とあなたのワードローブの減量を始めるときがやってきました。プラスチックの減量です。ここでは、クローゼットの中のプラスチックに別れを告げるための簡単な方法を、いくつかご紹介します。
天然繊維を選ぶ
天然繊維を選ぶ
ラベルをよく確認して、マイクロプラスチックを出さない、メリノウールのような天然繊維を選びましょう。
洗濯と乾燥の回数を減らす
洗濯と乾燥の回数を減らす
一度着ただけで洗濯するのはやめましょう。合成繊維の衣服を洗濯するたびに、マイクロプラスチックが流れ出ます。
衣服をすぐに捨てない
衣服をすぐに捨てない
衣服は、何度も繰り返し着ましょう。着用回数を109回から400回に増やせば、その衣服が環境に与える影響を60%軽減できます。
表示ラベルをよく確認しましょう
衣服の内側に必ずついているあの小さな表示ラベルには、マイクロプラスチック問題を改善する力があります。合成繊維に「ノー」と言う、ただそれだけでいいのです。
- 繊維の組成表示に関しては、各国でさまざまな法律がありますが、最も良いのは、繊維ごとのパーセンテージを表示して、降順(多いものから少ないものの順)に並べる方法です。
- プラスチックを使用した衣服は一般的に、アクリル、ポリエステル、ポリアミド、ネオプレン、ナイロン、オーロンなどと表示されます。
- 天然繊維には、綿、羊毛、テンセル、麻、竹、絹などがあります。
ウールは、マイクロプラスチック汚染を引き起こしません。
新たに行われた画期的な調査により、メリノウールは海洋におけるマイクロプラスチック問題に加担していないということがわかりました。その科学的研究は、『マイクロファイバー汚染とウールの海洋生分解 - ウールは海洋環境で容易に生分解されるが、合成繊維は生分解されない』と題されています。また、洗濯機で洗濯可能なウールは未加工のウール繊維よりも早く生分解されることも、この研究で明らかになりました。