3次元(3D)プリントは、生地のデザインと生産に関する最新のイノベーションであり、ハイエンドファッションの世界では、ベースとなる生地に直接施す3Dプリントに大きな関心が寄せられています。
自由度の高いデザイン
3Dプリントでは、顕微鏡レベルの精度で自在に美しさを表現することができます。
無駄は最小限
3Dプリントは衣服の製造プロセスにおいて、はぎれがほとんど、あるいはまったく出ないため、無駄を減らすことができます。
無限の可能性
3Dプリントによって、デザイナーは複雑な形状や質感、さらには込み入ったディテールや繊細な装飾も実現することができます。
最新の3Dプリント技術は、世界で最も高度な技術を要する天然繊維であるメリノウールの生地に非常に適しています。
デザイナーは、メリノウールやウール混紡生地が持つ優れた快適性や美しいドレープ、自然に備わる機能はそのままに、3Dプリントで自在に美しさを融合させることができます。
仕組み
3Dプリント
現在の3Dプリント技術は顕微鏡レベルの精度です。デザイナーは、何の制約もなく複雑な形状や質感を望むままに作り出すことができます。込み入ったディテールや繊細な装飾も実現できます。
複雑な形状だけでなく、デザイナーはマルチカラー、個性的なグラデーションカラー、透明感など、あらゆるカラーバリエーションを取り入れることができます。
ベースとなる生地に3Dプリントを施すと、体の上で衣服が動いたときの複雑な揺らぎなど、新しいビジュアルを表現することができます。
デザインのプロセスに技術を組み込むことで、生産に要する時間や環境負荷を最小化(廃棄物の削減)することが可能となります。
また、カスタマイズや一人ひとりに合わせたデザインへの可能性も無限に広がっています。
3Dプリントを採用しているパートナー
DYLOANによる都市型ラボ、D-HOUSE
Dyloanによる都市型ラボ、D-houseは、メリノウール生地への3Dプリント技術の研究と応用を進めてきました。多用途に応用できる可能性を示すため、同社はザ・ウールマーク・カンパニーならびに3DプリンターメーカーであるStratasysと共同で、「Knitting the future - 3D printing meets Merino wool」プロジェクトを実施しました。
このプロジェクトには、3人の国際的デザイナーとロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートの学生4人が携わり、Dyloanの生産施設Bond Factoryで生産されるメリノウールのニットウェアに3Dプリントでデザインを施しました。
3人の国際的なデザイナーは、イタリアのヴィットリオ・ブランチジオ(ニットウェア・デザイナー)、マッテオ・シビック(トランスメディア・アーティスト兼デザイナー )、ロンドン在住のローラ・テイス(ニットウェア・デザイナー)です。ロイヤル・カレッジ・オブ・アートからは、カタリーナ・デュビック、アマランテ・フロスト、オリバー・ハードマン、マリア・フェルナンダ・ナヴァの4名の学生が参加しました。
このプロジェクトは、糸サプライヤーであるManifattura Sesia、Tollegno 1900、Zegna Baruffa Lane Borgosesia、Südwolleグループ、CoatYarn、Expotex、Fulgar、ニットメーカーのAlessandro Simoni, Artemaglia、Effebi、Mas、Miles、Ribknitの支援を受けて実施されました。