眠りにつくのは思っているより簡単かもしれません。羊を数えるのではなくウールを着れば良いのです。
成人から高齢のグループを対象に、睡眠に関する科学的な検証が行われました。その結果、ウールを着て寝ると、睡眠時の「快適体温ゾーン」の範囲内に体が保たれることが分かりました。
メリノウール着用時と他の繊維の衣類着用時を比較すると、メリノウール着用時の方が、高齢の方は少なくとも10分、成人の方は少なくとも4分早く眠りにつきました。
シドニー大学の研究者らがザ・ウールマーク・カンパニーの協力を得て行った最近の研究によると、ウール着用時、眠りにつくまでに成人の方の時間はたった12分でしたが、ポリエステルでは22分、コットンでは27分かかりました。
この研究によって、天然繊維は合成繊維のものと比べて熱と湿気をよく伝え、優れた体温調節機能を持っていることが明らかになりました。
“ウールは他の繊維よりずっと優れた体温調節機能を持ち、体をいわゆる『快適体温ゾーン』に保ってくれます。結果として早く眠りに落ちて長時間眠れるだけでなく、より深くより質の良い眠りが得られるのです”
この研究ではまた、ポリエステルやコットンのナイトウェア着用時に比べウール着用時には、皮膚内の湿気が低くなり、その結果よりぐっすりと眠れることも分かりました。
“Chin Moi Chowシドニー大学准教授は言う「ナイトウェアの布地に関する継続的研究によって睡眠時のウール着用のメリットが明らかになりました。これは決して偶然ではないでしょう。ウールは他の繊維よりずっと優れた体温調節機能を持ち、体をいわゆる『快適体温ゾーン』に保ってくれるからです。結果として早く眠りに落ちて長時間眠れるだけでなく、より深くより質の良い眠りが得られるのです”
やはりシドニー大学とザ・ウールマーク・カンパニーにより行われ、Nature and Science of Sleep (2016) に掲載された研究では、ナイトウェアと寝具の布地が睡眠に及ぼす効果が気温17°C 及び 22°Cにおいて調べられています。
この研究では17人の若く健康な成人を対象に9夜にわたって睡眠ポリグラフ検査が実施され、スーパーファインメリノウール着用時とコットン着用時の比較が行われました。それによるとスーパーファインメリノウール着用時の方が眠りに落ちるまでの時間はずっと短く、合計睡眠時間は長く、睡眠効率も良いという傾向が見られました。眠りに落ちるまでの時間はメリノウール着用グループで11分、コットン着用グループで15分で、前者の方が平均4分早く眠りに落ちていました。
ウール製のパジャマ、毛布、掛布団、マットレスカバー、枕などは、きっとより良い眠りをもたらしてくれるでしょう。