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ピッティウォモで科学・サステナビリティ・ファッションがひとつに


ジャネット・プレスコットはファッションと科学のつながりが成長し続けていることを、ピッティウォモ94で実感しました。デザイン、色、科学、世界の海洋や自然の未来に対する意識の全てが、フィレンツェで開催された第94回目のピッティ・イマジネ・ウォモのメンズファッションの力強い展示でひとつになりました。天然繊維を選び、あらゆる形態でのプラスチックを最低限にするという多くの国の消費者の支持を得たムーブメントにより、メリノウールが主要デザイナー、ファッションリーダー、テキスタイル産業の大物たちにとって必要不可欠なものとなっています。

その反応はSeaseや、ゲスト国となったグルジアからの若手デザイナー、英国からの初めての出展者による新しいラグジュアリーなコレクションを見れば明らかです。

開発者たちは天然繊維の快適さ、機能性、そして何よりもそのサステナビリティに注目している。ウールは効果的に体温を調節する繊維としての機能性が認められています。

洗濯可能なウールのスーツは、今やファッションにおける現実だ。洗濯機で洗濯されあっという間に乾く究極の旅行用スーツは、TomboliniのブースでLevisの古い広告をもじったメリノウールスーツ洗濯のビデオで紹介され、人気を集めました。

Video

MINIとザ・ウールマーク・カンパニーのスペシャル・コラボレーションによって生まれたMINI FASHION FIELD NOTESのカプセルコレクションは、1960年代のMINIのブランディングからデザインのインスピレーションを得たものです。リアム・ホッジス(英国)、スタッフオンリー(中国)、PH5(米国)、リケ・フォイヤシュタイン(ドイツ)の4人のインターナショナルな新進デザイナーがメリノウールを使用し、「旅」をテーマにカプセルコレクションを制作しました。4人のカプセルコレクションはピッティウォモで他を圧倒するカラフルなアウトドアステージで人々を魅了しました。

REDAはREDA ACTIVE高機能ウール素材のために実施された膨大なリサーチに基づき、ウールスーツ向けに開発した生分解性を持つ革命的な裏地を発表しました。Reda Active Lifeproofと名付けられたこの新しい生分解可能なポリマーのレイヤーは、製品のサステナビリティを確かなものとし、重要な新たな一歩です。REDAのエルコーレ・ボット・ポアラは次のように説明していました。「この裏地は完全に当社のヴァッレ・モッソの工場で開発、検査、製造されたものです。REDAは織物工業の中心都市であるビエッラの長い伝統に従い、優れたものの探求を続けています。それは継続的な環境に優しい製品の開発です。技術とサステナビリティをウール生地でひとつにし、その機能性をより向上させるものです」

チョークストライプのファインウール フード付きスウェットシャツ: 70%ウールと30%バイオナイロンのブレンド [上写真] PHOTOS: SEASE

ピッティウォモでのSeaseのローンチは人々の注目を集めました。フランコとジャコモ・ロロ・ピアーナの2人のロロ・ピアーナ兄弟が立ち上げたこのブランドは、ウールやバイオナイロンといった環境に優しい素材を若く洗練された消費者に提案します。Seaseはテクノロジー品質を使用し、ウルトラパフォーマンス、デザイン、サステナビリティを組み合わせ、トレンドのスポーツカプセルデザインを提供します。例えば、スーパーファインメリノウールのニットのベースレイヤーや、3層のウールシェルのスキーウェアなどが揃います。

[左] Z ZegnaのTechmerino™ スポーツウェア・アパレル PHOTOS: Ermenegildo Zegna

[右] Z ZegnaのTechmerino™ Wash & Go サマースーツ PHOTOS: Ermenegildo Zegna

Techmerino™を持つZ Zegnaは、等身大のマネキンを使用してテニスマッチを演出。選手、観客、審判向けに、Techmerino™スーツからアスレジャー、完全にプロ仕様のアクティブウェアまで、軽量で伸縮性を持つウールを使用した機能的なデザインのパワーと多様性を示しました。特に興味深いのは、Techmerino™のWash & Goスーツだ。このサマースーツは家庭での洗濯機洗濯が可能でありながら、その着心地、機能性、カジュアルなフィット感をキープしてくれます。軽量で非常にソフトなWash & Goスーツは、イージーケアに加えて制限されない自由な着心地と吸放湿性を提供してくれます。

サマーニットは非常に細いマイクロンのウールを使用したカラフルで多彩なデザインです。FalkeのシームレススタイルやPringleの3Dプリント構造にアーガイルのダイヤモンド型が使われたシングル・ストリップのモチーフなど、新しい技術が使われているものもあります。

スペシャル・ゲスト、ロベルト・カヴァリによるwhite-on-white

展示でもランウェイでもカラーのものが大半を占める中で、ホワイトもまた人気を博していました。チェルトーザ・ディ・フィレンツェ、トスカナ・ヒルでのチケットが取れないほどの人気となったロベルト・カヴァリのショーは、全面プリントのものに加え、ホワイトのアイテムが幅広く揃えられています。

イタリアや英国のトラディショナルなブランドは、裏地無しの軽量のウールジャケットを揃って発表しました。巨大なチェックと幅広のチョークストライプのオーバーサイズのトラッドなデザインのジャケットには、鮮やかな柄のアクセサリーが合わせられています。おそらくはミレニアル世代をスーツに誘い込み、イタリアにちょっとしたカーナビ―・ストリートの雰囲気を持ち込もうという作戦でしょう。

ジャネット・プレスコットはフリーライター兼エディター。幅広いインターナショナルな出版物に寄稿している。TexSelectの協議会メンバーであり、ピッティ・フィラーティでの『Feel the Yarn』の常任審査員及びProfessional Clothing Awardsの招待審査員を務める。現在は自著『Fashion Textiles Now』の続編に取り組み、急速に変化する世界における選択のあり方について検証している。